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毒舌
第17章 別離の刻
吹雪の中を
舞うように駆け出した。
妖怪でこその
容易も
人間ではそうもいかないのか
奴等は
屋敷に籠り
まるで
冬眠でもしたかのように
厳しい冬をやりすごす。
深い雪に埋もれ
窮屈に生きる、
人間風情には
それがお似合いだ。
だが。
おりょうの住む屋敷の主、
あの腐れ退治屋が
いつまでも
そこに
居座っているというのは
邪魔以外の何物でもない。
一思いに
始末してしまえば
話は早いのだが
あの男には
どうにも
近付けない理由があった。