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毒舌
第17章 別離の刻
――色恋に血迷ったか、嘆かわしい!――
誰しも
そう思うだろう。
――……血迷っているのは父上ではありませぬか?実の娘を道具としてお使いになる、それが人の道だとでも――
――偉そうなことを!お前には神に使わされし使命があるのがわからんか!妖怪など生かしては措けぬのだ!――
――弱きは淘汰されるのが自然の摂理。妖怪は確かに人を殺めるでしょう。でも、価値のあるものを護ろうとします。――
いつから
そんなふうに
見ていたのだろうか。
吐き出す息が
真白く煙る。
自分の考えを持ち
冷静に判断をする、
情報に踊らされる
大衆とは大違いだ。
あんな場所からは
一秒でも早く
引きずり出して
解放してぇ……!