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第20章 初恋

「アタシも香島さんもすごいいい女にいい男なのに。それでも琴美はトビがいいっていうんでしょ」


呆れたように
半ば諦めたように

イッちゃんは呟く。


「私だって初恋だもん」


生まれ変わる前から
それはきっと

おりょうにしても
そうだったんじゃないかな。


「いい大人が揃いも揃って笑っちゃうよね」

「確かに」


諦めるとか
妥協するとか

もっと何か
楽な生き方があるだろうに。

頑固になって
身動きとれないなんて。


自分を捨てるくらいなら

まだまだ
こどものままでいい。