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毒舌
第20章 初恋
「なんかイッちゃん、随分と香島さん擁護派になっちゃったね。あんなに毛嫌いしてたのに」
「琴美が帰っちゃったあと、病院でたくさん話したの。最初はスゲーやな奴!って思ってたけど、今はなんかわかるなぁ」
やんわりと
イッちゃんが笑う、
一体
どんな話をしてきたんだろ。
「うん……今なら、わかるよ。琴美とならセフレなんかでいいって言える香島さんの気持ち」
「ええっ?わかっちゃうのそれ!?」
驚いて声を高くした私を
イッちゃんが
ゆっくり
ソファーに押し倒して来た。
イッちゃんの
生乾きの冷たい髪が
ぱらぱらとこぼれてくる。
「イッちゃ……?」
「振り向いてくれないのがわかってるのに、好きでたまらないってことでしょ。」
ふざけてるんでもない
落ち着いた眼差しに
私はびっくりした。