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毒舌
第4章 近くて遠い


「じゃあコレ」


渡された名刺に
手書きでメアドが。

さっき
コレを書いていたのか。


何事もなかったように
自分のデスクに戻ると

それまで静かだったトビが
案の定口を挟んできた。


『……おい、』

(うるさい)


やりかけの
データ入力の続きを始める。

カタカタと音をたてる
キーボード。


『お前酒なんか飲めるのか』

(飲まないし)

『あの男、信用出来ねえぞ』

(妖怪よりはマシでしょ、)


うっかり
飛び出した毒に
自分でもビックリした。

とはいえ
出てしまったものは
いまさらどうしようもない。


『……そうかよ、好きにしろ』


トビが
不機嫌に言ったけど
私は全然違うことを思った。


(……トビの口の悪さがうつったのかも。どうしよう、毒舌癖とか加速しないかな)


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