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毒舌
第27章 大禍時/後編
長く細い首に見下ろされ
下から見上げるおりょうは
哀しみの滲む目を
静かに向けていた。
鶴女の罵倒に
口を挟むでもなく。
「お前にわかるまい……あのお方の……神などに……赦さない……赦さない……!我等が希望を、お前が!」
(――どっちがだ。知った口ききやがる)
独りで舞い上がる鶴女に
ヘドが出る。
大袈裟に盛りやがって
勝手に俺を
崇拝してる奴等がいるのは
知っちゃあいたが
目の当たりにすると
こうも白々しいものか。
だが、
何故
この鶴女は
俺がおりょうに
退治されたことを
知っている――?