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毒舌
第30章 小さな絆
『どうした。寝れねぇのか』
(あ、……うん。ちょっとおっかない夢見ちゃった)
『…………巻き込んで悪かった』
(へっ?)
急にトビが
変なこと言うから
思わず
ぱっちり目が冴えた。
(どうしたのトビったら。別にトビのせいだなんて私思ってない)
トビが何かを
しおらしく詫びるなんて
驚き以外の何物でもない。
(それに)
『?……なんだよ』
「嫌なこと起きるのがトビのせいだっていうなら別にいい。嫌なこと全部合わせても、トビに会えたこととかトビがいてくれることの方がずっと大きい」
ベッドに腰かけたまま
枕を膝の上に乗せて
ぎゅう、と抱き締めた。
『……枕で俺の代わりがつとまるのか』
(う、……)