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毒舌
第34章 昇華
「あ、ひぃ……っ!」
喘ぎ声なんて
あげないように
ずっと堪えていたのに
指でそこをズンズン突かれ
思わず身を捻った。
「いたい? ようやくおりてきた、よ。かたくて、ちっとも、ひらかない」
自分の中が
どういう構造なのかなんて
よく知らないし
だから何をされて
そうなってるのか
わからないけれど。
痛いです。
「かわいそうにね、でも かえしてもらうから」
何を、なんて
問いかける力は
もう残ってないの。
鈍い痛みを打ち付けられて
私は歯を食い縛った。
『うるせえ。引っ込んでろよ』
白銀の刄のような
一陣の風――。
りおくんの体は
途端に
遠くに吹き飛ばされて
ガシャンと
何か薙ぎ倒す音が
店内に響いた。
浮かんでいたはずの
私の身体は
優しい腕に抱えられて
十字架の磔さえ
私の手首を解放していた。
「――――…っ!」
声が出ない私のおでこに
トンと額を寄せた。
「歳下相手だからって、遠慮してる場合じゃねえだろうがよ。下手な情けなんざかけてんじゃねえ」
睨んでる目が優しい。
棘のある言葉が
でもあったかい。
私の涙を舐めて
そのまま口づけて、
頭の芯から爪先まで
一気に痺れる毒に犯される。
「悪い、遅くなった」
涙腺が決壊して
私はトビにしがみついた。