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毒舌
第34章 昇華
「え!?なんで?」
お風呂場のトビは
着物を着ていた。
人間の衣服と違って
トビの着物は
全然濡れない!
「そんなことどうでもいいから、お前は早く脱げよ」
トビが服を着てるのに
私だけ裸になるとか、
凄く恥ずかしいんですけど。
いや、
トビが裸でも
それはそれで
恥ずかしいけどでも。
一人でオロオロしてたら、
トビは
手際よく
私の服を脱がし始めて
抵抗する間もなく
一糸纏わぬ
生まれたままの姿に
されてしまった。
お風呂だって
そんな広くはないのに、
トビに抱えられたまま
私はまな板の上の恋。
人魚姫のように
声も出せずに
されるがままだった。
トビったら
ボディソープを
手に垂らして
私の足の指の間に
長い指を絡めてきて、
そんな
隅々まで
丁寧に洗わなくていいのに、
トビの指の感触に
堪えきれず。
顔が
真っ赤なのバレてるかな。
心臓が
バクバクいってるのも、
私が感じてるのも、
息が荒くなりそうなのも。
トビの睫毛を見てたら、
不意にトビが私を見た。
心臓が止まりそうになる。
「寂しくなかったか?」
そんな優しくされたら、
泣いちゃうじゃない。