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毒舌
第34章 昇華
私の目から
ぽたぽたと涙の粒が
こぼれだしたけど
気にとめる様子もなく
トビは私の体を洗い続けた。
前なら
何泣いてる、とか
トゲのある言葉で
私を馬鹿にしたのに。
髪の色が変わったら
性格まで
変わっちゃったのかな。
「ねえホンモノ?」
「……もうちょい違う聞き方ねえのかよ」
すぐ傍で
私を覗き込む瞳。
石鹸のあぶくがついた手で
私の頬を撫でた。
トビの眼差しが揺れて
そこに映っていた私が
滲んで見えた瞬間
ゆっくり
優しくキスをされた。