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毒舌
第35章 呪縛


「ん?」


私は違和感に気付いて流れる窓の外の景色にへばりついた。何故か車はラブホと思わしきいかがわしい道へ入ると怪しいゲートをくぐる。


「ちょ、香島さん???」

「飲みに行くのもいいけど、トビの話も聞きたいしね。こっちのほうが周りを気にしないで済むでしょ」


そりゃそうだけど。……そうか、トビと話したいのか。びっくりした。ですよね、トビもいるんだし大丈夫よね。


『面白いくらい動揺するな、お前』


するよね!


端から見ればラブホに向かう二人の男女とか。もう完全アレじゃん。いや、誰も見てないけども誤解だから。私と香島さんは別にそんなじゃないから!


『すっげ挙動不審な』


何かもう気分は銀行強盗でもやらかすような感じ!ビクビクおろおろしながら車を降りて半泣きで香島さんに付いてく私は胸元で自分のハンドバッグを抱き締めていた。


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