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毒舌
第35章 呪縛


『おい香島。言っておくが無理矢理は駄目だぞ。ちゃんと琴美をその気にさせたら許可する』

「んな…!?」


勝手なトビの勝手な振るまいに私の肩は思わずブルブルと震えた。怒りもほんの若干あるけど大部分は恥ずかしさみたいなもののような気もする。


「……そんなこと言っていいの?琴美ちゃんって相当感じやすいみたいだけど」


真っ赤。前回のおっぱい責めで相当ヤバかったのを思い出す。無理無理、無理だよトビ。助けて。前回は断固ノーを貫けたからと言って毎回そうとは限らない。落ちない自信なんてない。一体トビってば何を考えてるの。


『お前の中にいてお前がどう感じてるか全部見ててやるよ』

(あ、…悪趣味!)


それってば何より恥ずかしい。トビ以外の香島さんに感じちゃうのをトビに見られるなんて…!


(変態!変態!)


頭の中で力一杯トビを批判してたら、香島さんが後ろから首筋にキスをしてきた。小さなリップ音をたてて吐息をひとつ。それだけでもうゾクゾクしてしまうのに。

トビは困る私を見て楽しんでるんだろうか。どこまで私が我慢出来るか試してるんだろうか。トビが見てるだけで余計に感じちゃうのに。


(無理、だよぅこんなの……)


お仕置きだと言ったトビの真意はわからない。『不安』はでも優しい香島さんの手がもぎ取っていくようにまるで『期待』に染められていく。


『自分から飲みに行く、っつう時点でそいつと何かしらあっても構わない深層心理があんだよ』

(そ、そんな馬鹿な)

『社会勉強な』


軽く鼻で笑ってあしらうトビに私はちょっと絶望した。最近優しいから忘れてたけど基本トビはドSだ。


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