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毒舌
第35章 呪縛
『香島がそんな簡単にお前を諦めるわけないことは俺が一番よく知ってる。毎回毎回俺たちの前に現れては無理矢理寝取って嫁にする男だ、……一度くらいは抵抗せず受け入れてやらないとまた来世までついて来やがるぜ?』
トビが投げやりに笑う、私と香島さんが軽くフリーズしてるのを鼻でさらに笑う。
『教えてやるつもりはなかったがな、また無理矢理犯すなら俺がお前を殺すだろうし、それだと琴美に怒られるからな』
「えええ?じゃあおりょうの旦那さんって香島さんが?」
「……浚ってでも結婚したい、のは、今に限った話じゃないんだ……納得。嬉しいような悲しいような」
『助けてやらないわけじゃない。本気で嫌ならそう言えば殺してやる。琴美がそれを願うならな。――そうでない限りは邪魔しないでやる』
ふざけるわけでもなくて、静かにトビが言った。私が何度も嫁いできた(らしい)相手、無理矢理だったのは多分私が拒否し続けていたから。きっとそんな結婚をしても、お互い幸せではなかったろうね。私がずっと香島さんを不幸にしてきたんだね。大好きでいてくれたのに。
一度くらい抵抗しないで受け入れてやれ、か。そしたらもう来世の香島さんは自由になれるのかな。