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毒舌
第36章 花びら


「でも安心した」

「何がだ」


睨み付けるトビが可愛い。ふわふわしてる髪に抱き付きたい。


「汚い不細工妖怪だったら俺凹むよね」

「――くだらねえ」


やだ。香島さんどんなイメージでトビを見てたの。

そんなふうにぼんやり思ってたら、トビが私の体を抱き起こして引き抜いた。


「ひゃ、」

「いつまでもくっついてんな」


こぽこぽと香島さんの証が溢れてきて恥ずかしいのに、二人の話も聞いていられなくて。頑張って立ち上がる。


「私、シャワー浴びてくるっ」


けど、この二人。二人にしといたら何の話をするんだろ。

気になりつつもよろよろとシャワー室に向かう。


熱いシャワーを頭から浴びて、やっと体の緊張もほぐれるような……思い返しても恥ずかしい。トビはどんな気持ちでいたのかしら。もうそれだけが果てしなく気がかり。


バスタオルを巻いてシャワー室から出ていくと、ベッドでトビが私を呼んだ。


「琴美、こっちに来い」

「?……香島さんは?」


まだ髪から雫が滴るのにトビは私の手を掴んでベッドに押し倒した。


「わ、」


枕が濡れていく。私はトビを見上げながら瞬きをする。


「ちゃんと中まで洗い流したかよ」

「ええ!?」


普通にシャワー浴びただけの私は、焦る。

バスタオルの上から私の胸を掴んでトビがニヤリと妖しく口角を上げた。


「身体検査だ」


胸は関係ない、と思いつつ。私は頬が赤くなる。

トビにしてほしい。今。


「……うん、」


自分からそっとバスタオルを開いて裸を晒しながら、小さくおねだりした。


「調べて…?」


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