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毒舌
第36章 花びら


トビの指先でなぞられた肌は、熱い花がふわりと咲いたように。次々色付いて、私を芽吹く。眠ってた細胞も途端に目覚めて活性化するみたいに。

長い綺麗な髪に指を入れてみた。さらさらと引っかかりもなくて、するりと抜けてしまう。何度撫でてもすべすべ。いいな、私もトビが触れるたび、こんなふうに手触りが良かったらいいな。


ひんやりとした髪をそっと抱き締めたら、トビが熱い舌を肌に這わした。さっきから火照りっぱなしでどこを触れられても気持ちいい。


「トビ……」


トビの手に自分の手を重ねてみた。

切れ長の目が私を覗き込んだ。


「疲れてないか」

「へいき」


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