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毒舌
第3章 新生活のはじまり
私は
ムシャクシャしたまま
着替えの準備をして
バスルームに向かう。
一人暮らしの部屋だから
ちょっと歩けば
すぐ目的の場所。
何をするにも
時間を気にせず
気ままでいい。
とはいえ。
手早く服を脱いで
バスルームに
足を踏み入れても
私はけして
鏡は見ない。
意識的に見ないようにする。
私の見たものは
そのままトビにも
見られてしまうから。
『別にお前の裸なんざ興味ねえよ』
トビは口が悪いから
どんな悪口で心を抉られるか
わかったもんじゃない。
そんなわけで私は
思春期辺りから
自分の体を見たことがない。