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執事とお嬢様の禁断の模様
第5章 繋がらぬ想い


「えっ…ううん、違うよ、
私が勝手に…「ごめん…ごめんね、
私…あの日、話さなければよかった……」


「沙耶香……」



 沙耶香は自分を責めるように
手で口を押さえ、うつむいた。



「私…辛いからって、つい妃奈浬に
話しちゃって……。自分で解決
しなきゃいけないのに、妃奈浬に考えさせちゃって…
私のせいでひどい目にもあって…」



 沙耶香の瞳は、歪みながらも揺れている。


 沙耶香のこんな顔、初めて見た……


 どうしよう…



「本当に……迷惑かけちゃって、ごめんなさい…っ」

「っ……」



 自分を見つめる沙耶香の
必死な瞳に、少し心がぐらつく。


 沙耶香……

 なにを言ったらいいか迷っている
うちに、自然と顔が歪んでくる。


 黙っていてもしょうがないよね……



「違う…沙耶香のせいじゃないよ。
だから、お願いだから自分を責めないで……」

「でも……」



 沙耶香はなんだか今にも泣きだしそうな顔をしている。


 思わず、目をそらす私。


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