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第2章 おこめの章

家族と一緒に実家住まいで、会社に通ってる。
会社に行く道は

ずーーーーっと田んぼだよ。

長ーい電線。電信ばしら。

ほっそい道に、ぺらぺらのアスファルトの舗装。

そんなとこをスクーターに乗ってとっとこ通勤してる。

一応そのスクーターは、心のなかで
『ペガサス号』と名づけているよ。

もうオンボロで、たまにぼるるっ、
ぼるるっるんプスぼるるんるん

とか変な音でいななく事があるんだ。

あと問題なのは、乗りごこちがペガサスよりは
スクーターに近いのが気にいらないぞ。

そんな不満をかかえながら、退屈な田舎道を往復している。
素敵な出会いなんてカケラも期待してなかった。

会社でもステキ体験なんてゼンゼン無い。
ちっちゃな会社だし、倉庫で全員よこ一列でラジオ体操できるくらいだよ。
社員でいい男が、いないわけでもない。優しいオジサマ系ならいる。
みんな妻帯者だけどね。

不倫好きなフリンセスの人ならいいかもしんない。
しかしアタシは外道ホビットだから年上の男性を見てもグッと来ない。

『おい、フリンセスって初耳だぞ』
という人も多いんじゃないかな。

結婚してない女性は、ミス
結婚してる女性は、ミセス
結婚してる男が好きな結婚してない女性は、フリンセス

こんなかんじだね。全くタメにならないマメ知識だよ。

それよりうちの会社に年下が、いないんだよ。
アタシより年下なのは、Ｏちゃんだけだ。ふたつ下だ。
めっちゃいい子だけどＯちゃんは女子社員だよ。
アタシゃそっちの気はないよ！

だいたいうちの会社は平均年齢高すぎるって。
高齢化会社なんだよ。
Ｏちゃんとめし食べてる時も、いつも不満の暴露だよ。不満爆発☆爆弾揚げサラダ和えをオカズに米くってるよ。

おかげで食が進んでおなかプニプニだよ！

いくらアタシが温和で慈愛に満ちてるっても、こりゃストレス溜まるって。