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第2章 おこめの章

“ＨＯＴＥＬ　シャンパーニュ”

……来たぞ。ノッポを連れて。
幸い、入り口の周りには誰も居ない。

ファザード（入り口の設計）は秘密めいた構造で、フロントとか館内の様子は、こっちからは見えない。

とにかく、中に入ったほうがいいな。
だって２人ともずぶ濡れだからな。
ホテルに来る前から過度なペッティング行為などを、してたと思われたら心外だからな。

いや、でも中に入ったら受付のボーイさんに

「いらっしゃいませェ……」

と、お上品に話しかけられるんだろう。
その時にアタシとノッポの頭から足元まで、見てくるんだろう。


……ちょっと待て。

アタシ、靴はいてねーＹＯ！
運動靴は田んぼに沈んだままだよ！

白いくつしたは、今やＳＥＸＹなグレイアンバーに染まってる。
このくつしたで館内を歩きまわるという、暴挙を認可してもらえるのか？

これはちょっと考え直したほうがいいんじゃ、ないか？
いやしかしここで、引き返したら
ノッポを懲らしめるどころか恥の上塗りじゃ、ないか？

やはり突撃だろう突撃あるのみ、だ！

「はいはいる、ぞっ」

アタシ、はノッポを引っ張って自動扉の奥へとび込ん、だ