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サイドストーリー
第12章 好きと言って②
「嘘だろ?」

俺は麻子が落とした爆弾に殺傷能力以上のダメージをくらっていた。

「初めて食堂で二人を見たときにレンの気持ちにピンと来た。
春人は感じたことないの?」

そう言えば、いつもレンは梨乃をからかってた。
そう言えば、いつもレンは梨乃を大事にしろって言ってた。
そう言えば、レンはいつも・・・・

「たぶん。あの二人は卒業のころは両想いだったよ」

そんなことさえ気がつかなかった。

俺は俺の事だけで精いっぱいだった。

「春人はさ。人は悪くない。男として物足りないって言うのも
浮気をした私が言える事じゃない。けどね。もっと周りの人の気持ちは考えなさい」

手もとのビールを見て、決して俺の顔を見ようとしない。
声を直接俺に向けないことで
言っている事は正論だけどキツイその言葉を
少しでも和らげようとしているのが分かる。

「ごめ。マジで気がつかなかった」
「謝る相手は私じゃないよ。まぁ私も言えた義理じゃないけど」

そう言って苦笑いをした。

あの二人は、どんな気持ちだったんだろう。

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