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キスより蕩けたヒメゴトを
第1章 【セピア色の二人は】

「ふぅ…終わった」
顔を上げれば静かな室内に広がるセピア色に彼女は目を細めた。
教卓の上、書類を片付けながら彼女は軽く伸びをし、目の前に並べられた多数の机を眺める。
「…私……やっていけるのかしら」
彼女の名前は星乃沙織(ほしの さおり)。
今年で25になる新米女教師だ。
横一つ纏めた黒い髪。色付かないベージュのスーツ。極め付けはいかにも、って感じの度が入った眼鏡は真面目な印象で教師と言われても頷けるスタイルだ。
実際、教師なのだが。

