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キスより蕩けたヒメゴトを
第3章 【真っ暗な闇に堕ちる】





「……悩みが増えたわ」



脱衣所にある鏡の前で沙織は溜息をつく。
そう、事は遡っての夕方教室で、彼女は教師という立場でありながら教え子の三矢恵斗と触れ合ってしまった。

この重大事実に沙織はろくに眠れなかったのだ。おかげで目の下にはくっきりと隈が出来上がっている。




(……どうしよう…)



髪を梳かしながら沙織は目をぎゅっと瞑った。
浮かぶは夕方の行為だった。








『は、ぁっ…ぁ』




行為が終わると沙織は昇った熱が下がり段々と理性を取り戻した。気付く頃には
やってしまった…、と。
汗や唾液や身体中に溢れた汁を見て彼女は顔を赤くして目を覆いたくなった。




『…先生の処女、気持ちかったですよ』



行為が終わると名前を呼んでいた彼は敬語を取り付けてまるで昼間学校で過ごす時の様なスタイルで身なりを整えていた。
まるで行為をしていた事が嘘みたいな、冷静ぶり。



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