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彼女は思い通りにいかない
第3章 志織の姉は……
「まったく……遥斗が相手じゃ色仕掛けも通用しないじゃない」

「やっぱりお前が仕掛けてんのか」

「当たり前でしょ?志織には変な男に引っ掛かって欲しくないもん」

志織が昨日言ってた「みんなお姉ちゃんを好きになるから…」はわざとだったってことだ。

「……ね、まさかとは思うけど」

「え?ヤったよ?」

「いーやーっ!わ、私の可愛い志織が!こ、こんなおっさんに!」

「おっさんって…お前も同じ年だろうが」

俺はビールを一口飲むとグラスを置いた。

毛先だけカールされた髪。
メイクも派手すぎず地味すぎず、スタイルもいいし、香はいい女の見本みたいな奴だと思う。

そりゃあ知らない奴は香にいっちゃうよなあ。

「でも付き合ってない」

「…は?ちょっとあんたまさか」

「誤解のないように言っとくけど、俺は付き合いたいの。けど無理って言われた。何か思い当たることない?」

俺の言葉に香は難しい顔をした。
どうやら何かあるらしい。




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