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彼女は思い通りにいかない
第3章 志織の姉は……
「あの子ちょっと遠慮がちなとこがあるっていうか…んーまあ私のせいもあるんだけどさあ」

「どういうこと?」

「私、昔からこんなんだからさ。生徒会長やったり、派手なことするの好きじゃん?けど志織は控えめな性格だからさあ、結構比較されたらしくて。自分はダメなんだって思い込んでるみたい」

それでか。
今やっと腑に落ちた。

きっとセフレでいいって言ったのも、付き合うのは無理って言ったのもそこからきてるんだろう。

「……終わった?」

遠慮がちに志織が席に戻ってきたのと入れ替わりに、俺は席を立った。
明日は月曜日だし、志織を俺の家に連れて帰るわけにはいかない。
さすがに香の前で告白とかしたくないしな。

「今日は帰るわ。また来週な」

志織の頭を撫で、香に挨拶すると店を出た。

原因がわかったから来週志織が来たらちゃんと誤魔化さずに告白しよう。
そうすれば志織も受け入れてくれるはずだ。

能天気な俺は、来週志織が変わらず来ると信じて疑わなかった。

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