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彼女は思い通りにいかない
第3章 志織の姉は……
次の金曜日、駅で待っていると思っていたはずの志織は姿はなかった。
一時間待ってみたけどやっぱり現れなくて、何かあったんだろうかと心配になる。

「そんな情けない顔しないでくれる?」

「……何でお前がここにいるんだよ」

チャコールグレーのパンツスーツに身を包んだ香が腕を組ながらこっちへ歩いてきた。
きっと志織に聞いたんだろうが、嫌な予感しかしない。

「言っとくけど志織は来ないわよ?」

「な、何かあったのか?」

「何にもないわよ~?ちょーっと実家に帰ってるだけで」

そういうの何もないって言わねえだろ。

「お前俺のこと認めてくれたんじゃねえの?」

「は?誰がいつそんなこと言ったのよ。相談には乗ってあげたけど、あんたを彼氏とは認めてないから」

うわあ。
知ってたけど性格悪。

「で?俺はどうしたら認めてもらえんの?」

「そうねえ…半年間志織とエッチしなければ認めてあげてもいいかな」

「は、はんとし~!?」

「え、何、短い?一年にする?」

誰もそんなこと言ってねえ!
ってか半年かあ…

「当たり前だけど風俗もダメよ?まあAVまでなら許してあげてもいいけど」

「……お前、何様だよ」

「え~お姉様~」

人がごった返す駅の入り口で香をちらほら見る奴は少なくない。

……こいつがこんな性格悪いとは思ってもみないだろうな。

「何か言った?」

「いえ、何も」




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