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彼女は思い通りにいかない
第8章 私の気持ち~志織side~
「彼氏のエッチに不満でもあんのか?」

やっと笑いが治まりながらもお腹を抱えながら話す遥斗さんに、何だかちょっとイラッとしてきた。
普段ほとんど怒ったりイライラしたりしないほうなんだけど、笑われたことでどっかのネジが緩んだみたいだ。

「そんなのないし」

「志織?怒ってんの?」

「……怒ってない」

何が気に入らないって、私を気遣うようなセリフを言っといて笑いをこらえてる顔が気に入らない!

「何で俺の家で待ってたの?」

「……エッチしにきた」

「……え?だって彼氏に不満ないって…」

「…だって彼氏じゃないもん。彼氏って遥斗さんが誤解しただけだもん。私なんか一人でヤってるのがお似合いの寂しい奴だもん」

「…志織」

「そんな怒った顔してもだめなんだから!遥斗さんが悪いんだから!勝手にお姉ちゃんと変な約束なんかして!私の気持ちほったらかしにした遥斗さんのせいなんだから!」

弛んだネジは私を壊してしまったようだった。
嫌われたくないのに、こんなこと言いたくないのに、後から後から溢れてくる言葉は止まらない。

「ごめん」

「謝ってほしいんじゃないよ…ぉ…、何で勝手に決めちゃうの…?…、何で私が待ってるって信じてくれないの…?」

「志織、ごめん」

「やだ、触んないで」

「でも触んないとエッチできないよ?」

にやにやと笑う遥斗さんの顔。
何だか全然反省してないみたい。




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