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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~

紫蘭は涙に濡れた眼で頼もしい侍女を見つめた。自分のために女の幸せをも諦めて浄心院まで付き従ってくれた姉とも思う存在だ。
紫蘭は同じように涙を浮かべた翠容に頷いた。
「判ったわ。すぐに手紙を書くから、それを兄上さまに届けてちょうだい」
夕刻、翠容は紫蘭のしたためた書状を懐深くにしまい、浄心院を出た。紫蘭は翠容を牡丹園まで見送ったが、よもやこの別離が翠容と永の別れとなるとは予想だにしていなかった。
紫蘭は同じように涙を浮かべた翠容に頷いた。
「判ったわ。すぐに手紙を書くから、それを兄上さまに届けてちょうだい」
夕刻、翠容は紫蘭のしたためた書状を懐深くにしまい、浄心院を出た。紫蘭は翠容を牡丹園まで見送ったが、よもやこの別離が翠容と永の別れとなるとは予想だにしていなかった。

