パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第9章 　 　 　　

　１０月６日（金）から始まったＮＨＫ杯。

　２日目の女子ＦＳ。

　ヴィヴィは演技後半、１つ目のコンビネーションジャンプ――

　２ｎｄは３回転ループの予定が、３回転トウループに。
　
　更に、ステップシークエンスの加点が思ったより付かなかった等、懸念事項はあるものの。

　冒頭の単独３回転アクセル。

　３回転アクセル＋３回転ループのコンビネーション。

　それらを確実に決めたヴィヴィは、ＳＰもＦＳも１位で、ＧＰシリーズ初戦を優勝で飾った。
　
　そして、

　４回転を飛ばせれば、最大限の加点をザックザック貰ってしまうクリスは、

　言うまでもなく、男子シングルの優勝を余裕でかっさらった。






　大会３日目――１０月８日（日）

　昼からは、アイスダンスのＦＤが行われ。

　夕方には、エキシビション。

　夜は、関係者各位を集めてのクロージング・バンケット。

　途中、ＮＨＫのスポーツ番組の中継に出演した双子は、

　その後、他のメンバーとカラオケに行き、夜の大阪を満喫したのだった。



　ちなみに――

　ショーンコーチの十八番は、
　
　エリック・クラプトン（英国出身男性歌手）の　“Change　The　World”

　そして、

　ジュリアン元コーチの十八番は、

　アデル（英国出身女性歌手）の　“Rolling　in　the　Deep”

　――なのだった。







　１０月９日（月・祝日）

　８時に大阪を発った双子は、１１時には松濤に戻り。

　３時間滑り込んだ後は、屋敷で心身を休めていた。

　そして、１６時頃。

　１階の防音室に流れていたのは、３拍子のワルツ。

　どこか哀愁漂うチェロが、　

♪ミ～～ド～シラ～～　

　ラシドラドミ～ファミ～～レ～～♪

　そう、ゆったりと謳い上げるのに被さるのは、

♪ズンチャッチャッ　ブンチャッチャッ♪

　そんな、軽やかなヴァイオリンの伴奏。

　時折、衣擦れの音と、鈴を転がす様な笑い声が混じるのは、

　ヴァイオリンの弾き手――ヴィヴィが、ワンピの裾を翻しながら、踊っていたから。