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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

「よ、要求って、何……?」

 若干 及び腰でのその確認にも、

「ふ。それは後でのお楽しみ」

 苦笑を浮かべた匠海は、テーブルに広げた色取り取りのエッグカプセルを、等分に選り分け始めた。

「………………」

 長い指先が動く様子を見降ろすヴィヴィの心境はというと、意外や意外 強気だった。

 エッグ・ハントで勝利すれば、この軟禁状態から逃れられる。

 逆に このゲームを拒否すれば、今の状況は改善するどころか悪化の一途を辿るだろう。

 今はまだ昼だけれど、これから日が陰り夜へとなれば、あの絶倫な兄がいつ豹変するかも解からない。

 なにせ匠海は、最低最悪な切り札を手にしているのだから。

 要するにこの窮地を脱するには、ヴィヴィが兄のゲームに乗る事が唯一の打開策なのだ。

 そして、

 「果たして このゲームに自分が勝てるか?」――といえば、

 “楽勝” であろう――

 実は、文武両道 頭脳明晰な匠海だが、弱点があるのだ。

 1つは既出の ナマコ。

 そして、もう1つは ゲーム や 賭け事。

 3兄妹はこれまでに数え切れぬ程ゲームをしてきたが、大概 勝利するのは双子のどちらかだった。

 つまり、匠海は めっぽう勝負事に弱いのだ。

 次期 篠宮の後継者としては「ちょっとそれどうなの?」と思わないでもないが。


「ふ……。後で吠え面かいても知らないわよ?」

 「我が手に勝利あり」と不遜に嗤う妹に対し、ピンク色のエッグカプセル5つを籠に入れてこちらに寄越した兄は、

「どうか お手柔らかに頼むよ」

 そう若干 弱々しく呟いたのだった。





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