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キスの花束を
第2章 添い寝とデート
「ちょっと。紗江子さん。ここから一人で大丈夫?」

司君はタクシーから降りようとしなかった。

「俺、もう終電もないし、このままタクシーに乗って帰るよ?」

どうやらこのまま帰る気らしい・・・
珍しいオトコの子だな。
大学生ぐらいなら、このままヤっちゃおうとか考えないんだろうか?

「大丈夫じゃない。部屋まで送っていってよ。
運転手さん、この子ここで降ります」

無理やり腕を引っ張ってタクシーから降ろして逃げないように腕を絡めた。

タクシーを見送ると急に無言になるツカサ君。
もしかして、怒ってる?
「紗江子さん・・・」
「なぁに?」
「俺の腕に。胸・・・当たってます・・・」

ん?ああぁ~!
それで黙ってたの?
怒ってるんじゃなくて?

かわいい~~~~~♪
「ん~。遠慮しないの」
私はさらに胸を押し付けた。

いまどきの大学生にしては
割と純情だな。
酔いとは違う意味で顔が赤くなってる。

そのまま一人暮らしのマンションのエントランスを抜け
エレベーターに乗り部屋に着いた。


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