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ねえ、脱がせて欲しい。
第1章 【ねえ、むかつくわ。】

つまらない。
つまらない つまらない つまらないわ。
ドレッサーの前でメイドに長い栗色の髪を優しく梳かれながら白ノ百合愛香(しらのゆり あいか)は朝から溜め息を零していた。
鏡に映ったメイドのマカを見ながら愛香は言葉を投げかける。
「聞いてるのマカ?」
「もちろんですお嬢様」
「昨日の執事…いいえ、辞めたから昨日のあの男わたくしの命令に背いたのよ。ただ
"貴方、わたくしの目の前で裸になりなさい"って言っただけなのに。オモチャの分際で生意気だわ」
辞めた、と言うより今の言葉からして辞めさせた。と言う言葉の方がしっくりとくるだろう。
愛香は白ノ百合邸の一人娘だ。
幼くして母親を亡くし以来、父親に大切に育てられたのは良いが環境と父親の性格で甘やかされた彼女は見ての通り。
生まれた頃から大事にされ、ずっと屋敷の中に居る彼女は一般の女性とは違い美意識な口調と誰が見ても美しい容姿。それは良いが少し捻くれた性格に出来上がっていた。

