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第5章 野獣 武志の誤算

「な、なんで笑うんですかー」

むくれた姿も可愛い。

いつの間に俺は陽菜と一緒にいるのが居心地よくなり始めたんだろう。
今までの彼女が見たら笑われそうな付き合い方なのに、俺はこのままセックスができなくてもいいんじゃないかとさえ思い始めている。

「いや、楽しみにしてくれて嬉しいなって思ったんだよ」

繋いでない方の手で陽菜の頭を撫でると、陽菜は潤んだ目で俺を見上げた。

最近こういう目で見つめられることが多い。

妄想の中で陽菜を犯しながら自分で処理しているとはいえ、さすがにこうも頻繁にその目をされると我慢の限界も近かった。

もう心の準備ができたのか？

そう聞ければ解決することなのかもしれない。
だがなかなか俺もうまく言葉にすることができず、結局は諦めるはめになってしまっていた。