この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷たい月を抱く蝶
第2章 温かい手のひら

「そうか……」
「きみは随分、一人で寂しい思いをしてきたんだな…」
「なら、私のもとに来るか…?」
「つ…ひっく…」
「うっ…うっ…」
「私には妻や子供もいなければ、大切な恋人もいない。私もきみと同じく、一人ぼっちだ」
「きみが良ければ、私の娘にならないか――?」
「私が貴方の娘に…?」
「ああ、そうだとも。そしたら、きみを幸せにしてあげるよ?」
「ほ、本当に…?」
「私のこと、捨てたりしない…?」
「ああ、そんな残酷なことはしないさ。きみ見たいな可愛いらしい娘がいたら、私は毎日きみを離したりはしない」
「どうだい?」
男の人は私に優しく話しかけてくると、そのことを言った。
私は何故か。その人が悪い人ではない気がして、素直に受け入れた。
どのみち私はこのままでは、路頭で飢えて死ぬことになる。私はそんな絶望的な未来から、逃げ出す為に彼の手を取った。
「きみは随分、一人で寂しい思いをしてきたんだな…」
「なら、私のもとに来るか…?」
「つ…ひっく…」
「うっ…うっ…」
「私には妻や子供もいなければ、大切な恋人もいない。私もきみと同じく、一人ぼっちだ」
「きみが良ければ、私の娘にならないか――?」
「私が貴方の娘に…?」
「ああ、そうだとも。そしたら、きみを幸せにしてあげるよ?」
「ほ、本当に…?」
「私のこと、捨てたりしない…?」
「ああ、そんな残酷なことはしないさ。きみ見たいな可愛いらしい娘がいたら、私は毎日きみを離したりはしない」
「どうだい?」
男の人は私に優しく話しかけてくると、そのことを言った。
私は何故か。その人が悪い人ではない気がして、素直に受け入れた。
どのみち私はこのままでは、路頭で飢えて死ぬことになる。私はそんな絶望的な未来から、逃げ出す為に彼の手を取った。

