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第4章 悲しみの記憶と…

｢どうやら着いたみたいだ。さあ、中に入ろう｣


｢お義父様、ここは…？｣


｢ここはイギリスで有名な仕立て屋だ。ここでお前のドレスを作って貰おう｣

｢誕生日用のパーティードレスが出来たらそれを着て、今週中にお前の誕生会をはじめよう｣

｢本当は今日、お前の誕生会を盛大に開きたかったが、私は今日はこのあと大事な予定がはいっているから、今日は無理そうなんだ。わかってくれるね瞳子？｣

｢ええ、わかってるわ｣

｢お義父様はお仕事で忙しいですもの。私は全然平気よ？｣

｢それに誕生を祝ってくれる気持ちだけで、私は幸せなの｣

｢そうか…。お前は子供なのにしっかりしてて、偉いな？｣

｢そんな事ないわ。だって私、今もこうしてるだけで幸せなの｣

私は父に寄り添うと、彼の腕にギュッとしがみついた。すると、彼は優しく私の頭を撫でてくれた。その愛撫に私は心地よさを感じた｡