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冷たい月を抱く蝶
第6章 狂気への目覚め

「さあ瞳子、さっそくその着物を着てごらんなさい。私はその間、部屋に戻っているよ」
「ええ、わかったわお義父様。婆やに頼んで着せてもらうわ」
「ああ、私も婆やに頼んでみるよ。シンシアは着物にも詳しいから、彼女なら任せられるだろう」
クレハドールはそう話すと、さっそく手を叩いてメイドを呼んだ。
「ああ、ベス。シンシアをここに呼んで着てくれ。瞳子に着物を着せたいんだ」
「はい、今すぐシンシア様をお呼びします」
若いメイドのベスは、自分の名前を呼ばれると直ぐに、シンシアを呼びに奥の部屋に消えて行った。そして間もなくすると、白髪で老婆のシンシアが呼ばれた。

