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学園物えっち短編集
第11章 意地悪彼氏
中学生の頃、気の強い彼女は一人浮いていた。
いじめのリーダー格みたいなやつにも食って掛かっていくので、何度も嫌がらせをされる。
ある日。
放課後下駄箱で、泣きそうになっている彼女がいた。
あんな奴らに食ってかかるから…
立ち尽くす彼女の前の彼女の靴に満タンに画鋲が入っていた。
犯人は誰だかすぐにわかる。
「…うわ」
俺はつい声に出してしまった。
彼女はキッとこちらを睨む。
俺はため息をついて、彼女の靴を取った。
「……よくこんなにたくさん画鋲集めるよな」
「ちょっと!あんたも私に嫌がらせしにきたの!?」
「は?嫌がらせとか興味ないけどさ…嫌がらせすんのって楽しいのかと思って」
彼女の靴の画鋲でいじめのリーダー格の奴つまりこの画鋲を入れた奴の上履きの裏側にバカという文字を作って残りを上履きの中に入れた。
「ちょ…何してんの?」
「これでこいつが明日どんな反応するのか見るのが楽しむのか?」
「そんなの知らない!靴返して!」
彼女は俺を睨んで靴を奪って行ってしまった。
次の日。
教室でリーダー格のあいつが彼女に吠えていた。
「あんた生意気過ぎ!私の上履きの中に画鋲入れたのあんただろ!上履きの後ろにこんな文字まで作って!」
「…」
「……あぁ、わりぃ。それやったの俺だ」
俺はそいつの前まで歩いて行って顔を覗き込んだ。
「なっ…た、瀧口君だったんだ…」
顔をのぞき込むと顔を赤くして俺から目を逸らす。
「ふーん。別に反応も特に面白くないな…こんなつまんない嫌がらせすんのが楽しいのか?暇なの?」
「え!?いや…あの…」
「ふっ…他に楽しいことないつまんない人間なんだ。かわいそう」
俺は教室を出た。
毎日のクラスの雰囲気が大嫌いだったのでちょっとせいせいした。
「た、瀧口君ッ…」
「……何?」
追い掛けて来たのは、彼女だった。
「………ありがと」
かなり小さい声で俯きながらそう言った。
「何?」
「………何でもない!!ふん!」
一瞬だったけど彼女の怒ってる顔以外を初めて見た。