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龍ちゃんの豹変
第8章 桃花の無駄な不安
よかった……これでやっと解放される。

「またイキっぱなしになりたいのかい?やっぱり桃花はエッチだね」

服を着せてあげながら合間に真田くんはキスを繰り返す。
あまりの溺愛ぶりに何故か私が恥ずかしくなった。

桃花が用具入れの方に目配せするのが見える。
こっちからは何の合図も送れないけど桃花もそれは分かっているだろう。

二人が教室から出た数分後、私は用具入れから抜け出した。
何だか制服全体が臭う気がする。

帰ったらシャワー浴びて龍ちゃんに会いにいかなきゃ。
好きだっていっぱい伝えて……いっぱい龍ちゃんに触りたいし……触って欲しい……

私は急いで学校を出ると自分の家に向かった。
少し薄暗くなった家の前には龍ちゃんが立っている。

……もしかして私を待っててくれたの?

昨日の不安は取り越し苦労だったんだと龍ちゃんを呼ぼうとしたその時だった。

「龍……大丈夫~?」

綺麗な人と寄り添いながら龍ちゃんが家に入っていくのが見えた。
ふわふわの緩いパーマの入った髪。
綺麗にほどこされた化粧。
スーツにピンヒールがとても似合っている。

しかも……龍ちゃんのこと、龍って呼んだ……

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