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不条理な世界に、今日も私はため息をつく
第2章 コンビニはどこですか

 どう懐柔しようかと思い悩んでいた時、あたしはラクたんの背の横に吊り下げられている、丸い大きな水筒らしきものが揺れているのを発見した。


「なんとっ!!」


 もしやラクたんは、乗るより先に命の水を飲めと仰られているのかもしれない。これはただのぶちゃいくラクダではなく、神聖ラクダなのだ。

 その場で恭しく土下座して、感謝の姿勢を示してから乞うた。


「では、ラクたん様。聖水を……」


 手を伸ばして顔を上げた途端、目の前にラクたんはいなかった。


「おや?」


 そして――衝撃。


 コンコン。コンコンコン。


「!?」


 持ち上げ気味の尻にぶつかるなにか堅いもの。

 見ればラクたんが、やけにはっははっは荒い息をして、あたしの背中に手を置き、後方からなにかを尻にぶつけていた。


「なんだ……?」


 やがてあたしのシフォン状のスカートが翻ると、太股になにかをねじ込ませようとしてくるのに気づいた。



 あたしは現実を悟る。

 悟ってしまった。


 これは、この行為は――。


「この駄ラクダっ! あたしになに発情している! あたしは尻をお前に捧げたわけではないっ! 盛るなっ!」


 神聖どころか堕落していた駄ラクダのラクたんに落胆するあたし。


 おじさん顔負けの寒いシャレで、脳内思考を繋げようとしたところに、あたしの混乱ぶりがある。

 
 生理中だから昂奮させてしまったのかどうかはわからないが、後背位(バック)にて入り口を探しているそれは、もうこれは本当にやばい感じだ。


 いつでもOKの熱くてデカい棒。

 うん、聡よりもすごい大きくて太い気がする。


 じゃなく、ヤラれる!!


 鳥取砂丘で獣姦なんて冗談じゃない。

 しかも相手はンゴォォォのラクダ!!


 必死に追い払おうと、格闘していた時だった。


 ザアアアアアアッ!!


 突然、砂の下からなにかががばりと起き上がり、まるで集中雨(スコール)の如く轟音と、CGのような派手な砂の流下を見せつけながら、なにかが……そう、砂だらけのなにかが、横から盛るラクたんの体に抱きついてきたのだ。


「今度こそ本当の化け物!?」


 なによ、なによ、一体なんなのよ!!

 どれだけ鳥取砂丘は危険な不法地帯なのよ!!

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