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あたかも普通の恋愛小説
第11章 深海のそこまで


「制服まだ持ってる?」

「多分実家に」

「今度着てみせてよ」


そう言ってから胸の先端をトントンと指で軽く叩いて「学校じゃないけど、俺が無理矢理してあげる」って囁く。はじめてを奪った後輩が私にしたことを、全部してあげるって。


「うれしい」


封印してた嫌な記憶が。塗り替えられていくような。そんな気がした。


「じゃあそれは次回制服がある時までのお楽しみに」

「もう」


クスクス笑って抱き付く。だいすき。


「まずは井藤のリベンジ」

「ん?」


不意に体を起こした郎太が私をじっと見つめた。


「どんなことされたか全部話して」


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