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第12章 奈落、注意報

「～～～っ！！」


頭を抱え込んだ私に、井藤くんは再三注意をした。


「だから不用意な発言はしない」

「暴力反対ぃ～」

「教育的指導だし」


女の子にこんなことしといて悪びれる様子もなく井藤くんはポーカーフェイスで言い切る。


「たんこぶ出来たらどうしてくれるの～」

「嫁の貰い手としてなら大丈夫。小鳥ちゃんは大歓迎」


「よめ……」


たかがたんこぶで永久就職とか、そこまで責任追求しないんですけど。


「私まだ結婚とか興味ないんで」

「……ないの？真壁とも？」


私の心臓が跳ねた。


「私が！？郎太とけけけっ、けっ、」

「どもりすぎ」

「だってまだお付き合い始まったばっかりだしっ。そんなあつかましい！私なんてどうせすぐフラれちゃうかもしれないんだしっ」


わたわたと身振り手振りで早口で捲し立てると、井藤くんは首を傾げた。