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あたかも普通の恋愛小説
第12章 奈落、注意報
「小鳥ちゃんってさ、……まぁいいや。」
「なぁに?言いかけてやめるなんて気になる!」
「いや、それより。真壁は小鳥ちゃんをフッたりとかは多分しないと思うけど?」
アイスコーヒーのグラスについた雫を指で擦って伸ばしながら頬杖をついて。だるそうに言うセリフはどこか投げやりで。
でも私は井藤くん自身の様子より、話の内容に気を取られていた。
「そんなのわかんないでしょ。郎太は研究忙しいし、私のことなんてすぐ飽きちゃうこともあるだろうし。。そしたらめんどくさくてうっとうしいだけでしょ」
言ってて悲しくなった。今までたくさんのひとが、お付き合いじゃなく遊びとして私に近づいたように。所詮男と女の関係なんて飽きたら終わり。重たく感じたら終わり。
好きって感情は今確かにあったって。それがいつまで続くかは誰にもわからない。