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あたかも普通の恋愛小説
第13章 雨と仔猫と段ボール
「ご近所には何があるの?」
「コンビニとスーパーとコインランドリーはあとで教える。あとは……行ったことないけどカフェとか」
「カフェ!郎太と行きたい」
何か楽しみ。わくわくする。
好きなひとと一緒に暮らすのも素敵なんだけど、新しい環境ってちょっと新鮮でいいよね。新しくお気に入りの店が増えたりするかもだし。
「そのうち探検してみようかな」
無邪気に言うと郎太はちょっと眉間にシワを寄せた。
「あんまり、うろついてほしくはないかも」
「どうして?」
「他の男に狙われるといけない」
この辺りは一人暮らしの学生さんが多いみたいです。駅と大学の傍だから当たり前か。