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あたかも普通の恋愛小説
第17章 第一級エロス検定
「じゃあ明日、お、俺がきちんと採寸してやるよ。胸のサイズはかわりやすいから」
「そうなんだな、痩せるにも太るにも胸からなんだな」
「今回の補正下着も、最初はお前のサイズで作るから、そのつもりでな」
「じゃあ今日は俺たちの作業の邪魔になるからもう帰るんだな」
やたらに汗を浮かべながら言う彼らに私は頷いた。
「わかりました。じゃあまた明日来るのでよろしくお願いしますね」
ラ部を出て、高多さんに一言挨拶してから退社しようと高多さんのオフィスをのぞくと、ちょうど電話を終えた彼がこちらに気付き片手を軽くあげた。
「よう」
口元が笑ってる。
「お疲れさまです。そろそろおいとまさせて……何ですか?」
「いや?案外お前もすごいなと思って」
含み笑いで意味深に言われて私は首を傾げた。
「あいつらはプライド高くて、本社では女嫌いで有名なんだが。上手く手玉にとったじゃないか」
「……手玉……」
意味がわからずトーン低めの私を意に介さず、高多さんは話を続けた。
「変なやつらだけど仕事はきっちりやるから任せて安心だろ」
「そうですね、皆さん仕事熱心ですね。明日もまた来ます」
「おお。頑 張 れ よ。」
ニヤニヤと意味深なまま、変に一文字一文字のイントネーションに力を込めて言われた気がする。