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あたかも普通の恋愛小説
第17章 第一級エロス検定


郎太のいない郎太の部屋に帰り、シャワーを浴びる。一日の疲れと汚れを流して自分に還るひととき。

曇った鏡を手のひらでワイパーみたいに露をはらってそこに映る自分を見た。


(……胸が……ちょっと大きくなったかも……。郎太と付き合いだしてから……)


そうなふうに観察してから私はハッとした。


「もしかして太った!?」


幸せ太りという言葉があるくらいだから、私が太ってても不思議ではない。

そういえばこのところやたらご飯がおいしい気がしたもん。


「……あちゃー。胸から太るっていってたなぁ」


自分の胸を両手で寄せて持ち上げてみるけれど、胸がやせる運動とか知らないなぁ。というか胸はやせなくていいから、胸以外が太る前に自分の食欲とかをセーブすれば間に合うかな。


「なにしてるの?」

「きゃあっ!!」


突然背後から郎太の声が聞こえ、私はびっくりして悲鳴をあげた。


「郎太っ、帰ってきてたの」

「うん。今ね」


自分の胸を上げて寄せてして鏡を覗き込んでいた変なポーズを見られてしまい私は赤面した。


「俺が揉んであげようか?」


なんと郎太は服を着たままバスルームへ入って来て私の胸を包み込む。


「違…郎太、服っ」

「俺も裸のほうがいい?」


私はますます赤くなった。そういうつもりでいったわけじゃないのに。


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