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あたかも普通の恋愛小説
第3章 にゃんにゃん禁止令
目が覚めるとそこは知らない場所。正確には知らない男性の部屋。
(どこ?ここ)
昨日飲みすぎたせいか気持ち悪い。パーティードレスのまま寝てたらしくスカートしわくちゃ。ショールとバッグはソファーに置いてあった。壁にかけてある男物の服とかをボンヤリ眺める。
(さっぱり思い出せない……)
確か今日子のパーティーの二次会でカラオケに行ったような気がする。けれど、そのあとの記憶があやふや。ベッドの上で悩んでいると、シャワーを浴びてたらしい誰かが半裸でやって来た。デニム姿に上半身裸。頭にバスタオルかぶっているから誰かはわからないけど。
ベッドの前を通りすぎてTシャツを着る。石鹸の香りがフワリとした。
「あの……」
「うわっ!」
私が声をかけたらそのひとは驚いた、私もびっくり。
「起きてたの」
「……え、あれ、なんで」
目の前にいるのが、前にナンパ男から助けてくれた草食男子そのひとで、理解が追いつかない。確かパーティーに彼はいなかった。
「覚えて……ないか」
「え、覚えてます。この間のお礼――」
「昨日も言ってたよ」
「……昨日、のことは……覚えてません……」