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あたかも普通の恋愛小説
第18章 第二回


翌日。

約束の時間より少し早く大嶌様のマンションの前に到着した私が目にしたのはタクシーに若い男の子を乗せお別れのキスをしたらしい大嶌様の姿。遠目に見たからハッキリとはわからないけれど、お相手はまるで朗太くらいの背格好で、だから一瞬朗太じゃないかって目を疑った。

やっぱり若い恋人がいるんだ。今日は私が来るから追い返しちゃったのね。


「あら小鳥ちゃん。いらっしゃい」


いつもスーツを着こなす大嶌様の今日のファッションはいつもよりカジュアルで。でも相変わらず華やかな印象。胸元がゆったりしたブラウスからチラリと覗く下着。ふむ、普段はこういうデザインをお召しになるのか。


高そうなマンションへ招かれ一緒にエレベーターに乗り込んだ。セキュリティがしっかりしている。たまたまばったり会えて良かったみたい。


「さぁさぁどうぞ」

「お邪魔します」


玄関を開けるとふわりと薔薇の香り。広々としたマンションにどうやら一人暮らしされているみたいです。どこも綺麗に片付いていて生活感はない。


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