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あたかも普通の恋愛小説
第6章 駆け引き、誤算、泡沫の恋
私は大学卒で大手企業に就職したけど正直仕事は楽しくない。お給料がいいから何とか続けているけど、やる気はない。毎月の決まったノルマをクリア出来ないと本社での研修に参加しなきゃいけなくて、度々お世話になる。
梨花子は仕事大好きで仕事楽しいっていう。時々羨ましくなる。でも私、梨花子と違ってやりたいこともやれることない。趣味特技は特になし。可愛い洋服やコスメにお金をかけて幸せを感じる平凡な女子だし。
大手企業にいられるだけでじゅうぶん贅沢。楽で楽しい仕事なんて求めたらバチがあたっちゃう。
(あー。でもノルマは頑張らないと。本社の研修はやだ)
前回。研修の帰りに、研修担当の上司に誘われてカーセックスをした。妻子もある相手とはしたくないって言ったんだけど、
「仕事のストレスを家に持ち帰らないのも、いい亭主の条件なんだ」とかなんとか。
結局私は押しに弱い。セクハラもパワハラも弱い。
梨花子に怒られるのも、当たり前。