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あたかも普通の恋愛小説
第6章 駆け引き、誤算、泡沫の恋
一度反抗すると余計に怖い想いをする。そんなこと知ってたはずなのに、またやってしまった。
再び動き出した車内で逃げ場もなくてぴったり後ろについてる男は、大胆に私の胸に手を回して揉みしだく。
ポールにしがみついて、ただ堪えるだけの情けない自分。気付いてるひとは大勢いるのに誰も助けてくれないし、泣きそう。皆がこっちを見ているような気さえする。
お尻には相変わらずぐいぐい押し付けられてるし、どさくさ紛れで他の誰かにも触られてる気がする。
どんどん追い詰められ、実は全員グルなんじゃないかとさえ思う。もうやだ。
「ねぇ。感じてきちゃった?」
耳元の低い声は嘲笑うように囁く。そんなわけない。私が何も答えず歯をくいしばっていると、胸元のボタンをあけはじめ、私が脇をしめて抵抗してもまるで無駄。もう早く次の駅について!
男はブラの中に手を入れて乳首をこねくりまわす。そんなの痛いだけで気持ち悪いだけ。
いい加減にして!
声に出したつもりだったけど、声は出ない。