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あたかも普通の恋愛小説
第6章 駆け引き、誤算、泡沫の恋
一駅分が随分長く感じた。好き勝手に弄られながら、次の駅に着いたらをずっと考えていた。とにかく走って逃げる。とにかく逃げる。だから早く着いて。
さっきは無理矢理下車させられそうだったから、降りるだけじゃ安心出来なくてとにかく逃げないと。駅員さんとかどこにいるんだろ。改札まで行けば助かるかな。
弄られてる乳首が痛くて、でもひたすら我慢するしかなくて。
痴漢するくらいだから、普段女のひとに縁がないのかも。力加減とか知らないのかも。嫌い。
もうすぐ次の駅に着く、だから――
男は手を離して簡単に私の服を直した。けれど私の手首を掴む。逃げれないように?ぞっとする。