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あたかも普通の恋愛小説
第2章 不名誉な肩書き
高校時代、ずっと好きだった先輩がいて。思えばアレが最初で最後の恋だったわけなんだけど、先輩が卒業したあと思い切って告白したのよね。そしたら先輩、オーケーしてくれて。凄く嬉しかった。大好きなひとと彼氏彼女になれるなんて思ってもなかったから。
でも春休みにした初デートで、ホテルに誘われて。私、こどもだったからどうしていいかわからなくて、足が動かなくなった。どうしてもホテルの部屋に入ることが出来なくて凍りついてしまったの。
「俺たち恋人だよね?付き合ってるんでしょ?だったらいいじゃん」って先輩は言った。
フリーズしたままの私に、やがて愛想を尽かして
「小学生じゃあるまいし」なんて。
私は先輩にそのままフラレちゃったの。大好きだったけど、エッチを拒んだらフラレちゃったの。顔も見たくない、って言われた。
誘いを断るっていうのは相手を傷付けることなんだ、って思った。以来私は誘いを断れない、流れに身を任せて、好きでもないひとと、こんなふうに繰り返す。
好きでもないのにね。嫌われるのは恐い。